こんな、セックスばかりしていた二人の交際も終わりを迎える。1984年の終わりくらいか、ちょっと美樹に飽きてきていた。
このままつきあえば、来年の5月には3年を迎える。出会ってから色々あった。良いことばかりではなく、何回も別れ話はあったし、別れたこともあった。予備校在学中には清水美樹と仲良くなって別れそうになるし、女たらしの宮本にはキスされたらしいし、俺が大学1年、美樹宅浪の夏には同じ宅浪の男と俺の家の前でナンパされてつき合いだして別れて、でもすぐに美樹から近づいてきて再びつき合い、しかし相手の男とは別れていなかったようだったり、と思うと予備校時代の清水春樹と連絡取り合っていたようで、いきなり清水が「俺とつき合っている」と言いだし、美樹は美樹で聖蹟桜ケ丘の清水のアパートに泊まりに行っていたようで、ということは当然清水ともセックスしていたわけで、そういや羽根木の部屋で清水と美樹が服は着ている(はずだけどどこを触っていたのかはわからない)のにベッドの中、俺はベッドの下で美樹から伸びてきた手を握っていた、ということもあった。この時、俺はアルバイトに出かけたので、今思えば美樹と清水はその後セックスしたとしか思えない。でも俺は自分から美樹と別れることはなく、ずっと「つきあいたい」と思っていた。
初めのころはたしかに大好きだったのかもしれない。いや、実は最初からそんなに美樹が大好きだったわけではないのかもしれない。初めてできた彼女、初めてセックスした女を手放したくなかっただけなのかもしれない。
千駄ヶ谷のアパートでは、今思えばあんまり話しが弾まなかったのかもしれない。初めてのデートで衝動的に抱きしめてしまったことで始まった交際で、お互いのことを良く知らないままに交際がスタートして、考えが違うし、お互いに好きなタイプではない。少なくとも俺は美樹のタイプではなかった。俺と別れたあとに美樹は二十歳で同棲、二十一で最初の結婚、三十歳で二度目の結婚をしたのだが、どちらの相手も細身で長身で、俺とはまったく違う体型である。
それでも、最初のデートで「ワタシ、友達がいないのー」という話しをする美樹は、なんだかんだありながらも交際を続けていた。
千駄ヶ谷時代の美樹との会話で、二つ印象に残っていることがある。
一つは、「私、二十歳になったら生活保護を受けるの」。 詳しくは知らないものの、生活保護という制度があるのは知っていた。しかし、身近にそれを受けようとしている人がいるのは理解できなかった。 生活保護?あなたは若いし、働こうと思えば働けるんだから、働けばいいじゃない。
もう一つは「私、早く結婚したいのよぉ」。 知らなかった。そうだったのか。「え、結婚したいの?」「そう、早く結婚したいの」「今すぐにでも?」「そう、今すぐにでも」 ・・・その言い方だと、結婚相手は、俺じゃないよね。この時美樹は19歳。世間ではまだ結婚を考える歳ではない。でも美樹は結婚したいらしい。 美樹と結婚できるのならしたいけど、俺にはまだ早いし、卒業して就職してお金稼げるようになってから・・・いやでも美樹はすぐにでも結婚したいんだよね。
ここら辺で、お互いの考えの違いが露わになったような気がする。
【以下続くかもしれない。いかに美樹とのセックスがお互いにやりたい放題で童貞と処女同然の若い二人がやっていたかを思い出しながら書いていたのだが、なぜか別れ話のところまで書くことになりそうだ。別れたあとの美樹との話しも書けるだろうか・・・しかし、とにかく、一旦はここで切らないと、また徹夜することになる(笑)】
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