ここんとこずっと、松尾美樹のことばかり考えている。考えてみれば、いつもいつも松尾美樹のことを考えている。 そう、もう40年くらい、松尾美樹のことを考えているな。
彼女が亡くなったのは2016年11月10日のこと。既に7年半、もうすぐ8年たつのか。
幸せなことばかりではなかったはずだけど、彼女とセックスしていたことばかり思い出す。 千駄ヶ谷の、築後30年は経過しているであろう、六畳一間トイレ台所つきのアパートの2階で、時々は泊めてもらった。
今思えば、もっと一緒にごはんを食べればよかったなぁ。あんまり一緒に食事した記憶がない。 千駄ヶ谷に引っ越したばかりの頃、「ふうふう」とかいううどんやに行った記憶がある。渋谷のマクドナルドの向かいにも同じ店名の店があり、系列店だったはず。 店の人がアルバイトの女の子の話しをしていて「時給550円でよく働いてくれるよ」なんて話しをしていた。当時はそんなもんだったんだなぁ。
それ以外で、千駄ヶ谷に彼女が住んでいるときに、どこかに食べに行っただろうか。あ、モスバーガーに行った。 そうだ、妊娠したのしないの、という話しになったんだった。でも、それ以外でもハンバーガー屋が多かったなぁ。ほかの店に行ったことがなかったから、連れて行けるのがそんなもんだったんだな。
いやそんな話しを書きたいのではない。
このところ、毎日のように、いやだから毎日思い出す。毎日、始終、四六時中思い出す。 美樹のおっぱいが大きかったこと。 それまで何回も、茗荷谷のマンションの屋上に忍び込んで、こっそりとおっぱいを触らせてもらっていた。
そして、初めてセックスするとき、下着を外して胸が露わになったとき、「結構あるでしょ」と胸をつきだしてみせた。
千駄ヶ谷のときは、どうだったかな。 新しいブラジャーを買ったと、淡いブルーの上下をつけていたことがあった。肩ひもが外せるタイプで、紐を外した彼女の上半身はセクシーで、とてもキレイに見えた記憶がある。
彼女の部屋にいくと、最後にはセックスして、泊まることもあったし帰ることもあった。 だけど、どういう手順でセックスを始め、終わったあとにどうやって服を着て帰っていったのか、あまり記憶にない。 もう40年も前だもの、手順も、彼女のカラダの感触やあたたかさなんかも忘れてしまったなぁ。 あの千駄ヶ谷の、ファミリーマートの近くにあった銭湯も、思えば一度しか行かなかった。今みたいに銭湯好きになるとは自分自身思っていなくって、そんなに銭湯が好きになったのなら、当時、美樹ともっと何回も入りに行けばよかった。 別れたあと、2、3年してからか、クルマで行ったことがあったけど、前を通るだけで入浴しなかったのが惜しまれる。
ここんとこ、ずっと、美樹のカラダのことを思い出す。
でも、もう8年も前に死んでしまったんだなぁ。 書類でも確認しているから死んだことは確かなんだけど、変な別れ方をしたからか、もう一度会いたくて仕方ない。
「最後にもう一度だけセックスしたいなぁ」と思いつつ、当然果たせないままというか、「え、あれが最後のセックスだったの?」と思うと、なんとも。
松尾美樹への思いは尽きることがないなぁ。
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